kirin87 MEMO

読書記録 の めも用紙

【アルケミスト】

アルケミスト-夢を旅した少年- / パウロ・コエーリョ

 

羊飼いの少年が夢で見た宝物を求めて、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向かって旅をするお話。

著者は世界で最も読まれている作家50人に選ばれていて
この本は世界で最も読まれた本ベスト10の5位にランクインしているそうです。

忘れないようにめも。

僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった。角川文庫,アルケミスト

富士山の御殿場ルートは砂利だらけ。
ずーっと同じ景色が続く。
霧がかかると1m前が見えないことだってある。
晴れたら晴れたで、永遠に変わらないように思える景色しか見えない。

山の天気は変わりやすく、上までたどり着いたって
頂上からの景色が絶景だなんて保証はどこにもない。

暑かったり寒かったり荷が重かったり
脚が疲れたりもするし、決して楽ではない。

でも、
頂上へと向かうその時間は輝いている。

一歩一歩が、
目指している山頂へ続くと知っているから。

そんな山歩きの中でわたしは、たくさんのものを発見する。
たまに吹く風の心地よさ、ごはんのおいしさ、自然の香、
その他いろんなこと。

登ろうと思い立ち、実際に登ることをしなかったならば、
決して発見することができなかったもの。

そうして
山から出てきたころには
山頂での景色がよかったかどうかに関わらず、
宝物と呼ぶことのできる、きらきらしたものを
胸の中に見つけてる。

あるかもわからない宝物を求めて
たどり着くかもわからない目的地へと砂漠を進む、
この話に似ているかもしれない。

 

「私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に今に心を集中していれば、幸せになれます。砂漠には人生があり、空には星があり―――(略)」

「秘密は現在に、ここにある。もしおまえが、現在によく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、おまえが現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。未来のことなど忘れてしまいなさい。(略)」角川文庫,アルケミスト

わたしにとって
「今に心を集中できるとき」って
やっぱり「山を走っているとき」。

ただ山が美しいと思う気持ちと
走る気持ちよさ、生きている実感で心がいっぱいになる瞬間。

幸せな時間です。

 

未来のことを考えると、不安や恐怖が心を覆うこともあるけれど、

そんなときはこの言葉を思い出そう。